皮膚がん(悪性腫瘍)
「皮膚がん」とは皮膚や皮膚の付属器(毛、汗の腺、脂の腺など)の細胞が、本来ある体からのコントロールが効かなくなって(自律的)独自に、無秩序、無目的、無制限に過剰に増殖してできた組織の塊のことです。「皮膚がん」は発生した部分の正常組織を破壊するとともに、場合によっては全く関係ない遠くの部位に転移することで身体に多大な害をあたえます。
「皮膚がん」は、一般にいわゆる盛り上がった「できもの」や「湿疹や水虫」のような見た目の皮疹として現れます。初めはほんの小さな病変でも、放置することで際限なく大きくなります。最初はゆっくりとした拡大でも、次第に急速に大きくなってくる場合もあります。
また「皮膚がん」は拡大している最中でも自覚症状がないことが多く、かなり進行してから自覚症状が出現することもしばしばです。「皮膚がん」は「痛みやかゆみがないから安心」というわけではありません。したがって「拡大するもの」、「色や形に変化があるもの」、「形がいびつなもの」、「血や汁が出るもの」、「なんらかの自覚症状をともなうもの」、その他何か心配なもの等については、早めに皮膚科専門医にご相談ください。
いつかは消えるだろうと期待して様子をみていたり、あるいは通常の湿疹や水虫に対するような外用治療を行っても、全く不変、あるいは拡大する場合は、「皮膚がん」を疑うことが重要です。たかが皮膚病と思って軽く考えていると、「皮膚がん」であった場合は、他の臓器のがんと同様、リンパ節や内臓に転移して死に至ることがあります。
早期皮膚がんの場合は熟練した皮膚科専門医でなければ診断を下すのは難しいです。当院では「日本皮膚科学会認定皮膚科専門医」である医師が、大阪市立大学附属病院を中心とした基幹病院で専門的に「皮膚がん」診療に従事してきた経験と技術を駆使して「皮膚がん」の診断や治療に当たります。
ただ皮膚に「できもの」ができただけ、といって放置される方も多くみられます。しかし、転移した場合はもちろんですが、「皮膚がん」は進行すると表面が崩れて悪臭を放ったり、痛みや汁が出てきたり、膿や出血で毎日処置をしなければならないなど、様々な症状を伴います。そして本人のみならず周囲の家族の日常生活にもかなりの支障をきたしますので、治療法のある早期に対処されることをお勧めします。